嗅覚とデジタル化の世界を革新する：第8回DIGITAL OLFACTION SOCIETY 2024のハイライト
第8回DIGITAL OLFACTION SOCIETY（デジタル嗅覚学会世界会議）は、科学、技術、産業の分野で世界をリードする専門家たちを一堂に集め、デジタル嗅覚分野の画期的な進歩を披露します。このイベントは、2024年12月5日から6日にかけて、AP東京八重洲通りコンベンションセンターで開催され、最先端のイノベーションや香りのデジタル化技術の変革的な応用が注目されます。
嗅覚の世界を革新する
本会議では、多岐にわたるテーマを取り上げ、デジタル嗅覚が産業をどのように変革し、私たちの生活を向上させるかを探求します：
- AIと高度センサー技術
AIを活用した材料やバイオニック嗅覚システムにおける進展が、香り検出における精度とスケーラビリティをもたらしています。
- 医療分野のイノベーション
電子鼻（e-nose）は、疾患診断や食品安全分野での課題解決を目指し、これらの分野に革命を起こす可能性があります。
- ロボティクスと香り
ドローンや移動ロボットを使用したガス源特定技術が、環境や産業の臭気モニタリングの未来を切り開きます。
- 創造的フロンティア
日常の香りを捉える技術から、メタバースにおける香りデザインまで、人間の感情とテクノロジーを結びつけることを目指しています。
世界クラスのデモンストレーション
イベントの中でも特に注目を集めるのは、デジタル嗅覚の最新技術を体験できるインタラクティブな技術展示です。主なデモンストレーションには以下が含まれます：
- ウェアラブル香り検出器
周囲の臭気を分析可能なスマートネックレスやスマートウォッチで、個人の健康、安全、環境モニタリングへの応用が期待されます。
発表者：ヘスス・ロサノ・ロガド（スペイン、エストレマドゥーラ大学）
ホセ・ペドロ・サントス（スペイン、CSIC物理技術情報研究所）
- NeOse™ ハンドヘルド電子鼻
64センサーガスアレイを搭載したポータブルデバイスで、ヘルスケア、食品品質管理、香料開発にリアルタイムの香り分析を提供します。
発表者：シリル・エリエ（フランス、Aryballe社）
- AI駆動の香りプロファイリング
AroChemBase 2024のような革新技術により、食品、飲料、香料の精密プロファイリングを可能にします。
発表者：ファビアン・ルボー（フランス、Alpha MOS社）
矢島俊之（日本、Alpha MOS社）
- 画像から香りへの変換技術
画像と香りをつなぐ革新的なシステムで、視覚から嗅覚への体験を提供します。
発表者：永田富春（日本、Revorn社）
- VRとデジタル香炉を用いた瞑想
嗅覚刺激を活用した仮想現実システムで、集中力やマインドフルネスを向上させ、若い世代の教育にも貢献します。
発表者：麦啓来（中国、マカオポリテクニック大学）
- 海の香りと音響
サペロ島の失われた記憶を再現するマルチセンサリー体験を提供します。
発表者：ヨシュ・ハン（アメリカ、YOSH社）
- 嗅覚インタラクションツールキット
日常の香りをデジタル化し、文化の保存や感情の物語を香りで伝えるプロジェクト。
発表者：陸琦（中国、清華大学）
- 食品と飲料のイノベーション
Nespressoカプセルのプロファイリング手法を実証し、香り解析による顧客体験の向上を目指します。
発表者：ルーカス・ロペス（リトアニア、UAB Volatile Technologies社）
- バイオニック嗅覚インターフェース
嗅覚フィードバックを利用して、人間とコンピュータの相互作用を強化する最先端ツール。
発表者：荘柳菁（中国、浙江大学）
デジタル嗅覚の未来に向けて
デジタル嗅覚学会科学委員会の創設者兼会長であるマーヴィン・エディアス博士は、次のように述べています：
「デジタル嗅覚の革命の時代が到来しました。この技術が私たちの健康、文化、芸術、そしてコミュニケーションをどれほど変革するか、想像を超えています。」
また、本会議では「DOS Tokyo-Worldwide Challenge」というプロジェクトも進められています。これは、都市の香りをデジタル化し再現することを目指す国際的な取り組みで、2025年に正式発表される予定です。
革新のためのプラットフォーム
20名以上の著名な講演者とトップ機関からの参加者が集まり、学際的なネットワーキングとコラボレーションを促進します。
第8回デジタル嗅覚学会世界会議は、東京がデジタル嗅覚のイノベーション拠点としての地位を確立し、産業と人間の体験をグローバルに変革する未来を切り拓く場となります。
詳細と最新情報は、公式ウェブサイトをご覧ください：
デジタル嗅覚学会公式サイト(www.digital-olfaction.com).